体験版ではシミュレーションも頻繁に絡めていたので､製品版ではバトルパートもそれなりに導入されているのかと思ったら､バトルパートは序盤のチュートリアルのみで､基本的にADVパートとバトルパートは別々の様子
主人公の数は多いけど13人の主人公以外に登場するサブキャラクターの数はそれほど多くないので､伏線はやや複雑でもストーリー展開はとても分かり易い設計
一見ループした世界の繰り返しに見えるシーンでも時間の経過と前回手に入れたキーワードの持ち越し等､コレまでのタイムリープ物では同じセリフと展開を繰り返すものが多かったが､十三機兵防衛圏は作り込みが精密で､他のキャラの行き過ぎたネタバレにならない様､ストーリーの進行がコントロールされている為､基本的にどのキャラで進めても問題無いのだが､ある程度プレイヤー側でも各キャラクターのストーリーを､それなりに把握しておくと十三機兵防衛圏をより一層楽しめる作りとなっている
一連の行動や会話の流れは全て自動で行って欲しい場面もちらほらあるが､キーワードを考察する場面でも前回と違う内容になっていたり､新たなキーワードの発見をプレイヤーに行わせる事で従来のADVとは一味違った没入感の高いストーリーへと引き立たせているので好みの分かれる所ではある
若干会話の流れが途中でストップし同じセリフを喋ったり､次に取る行動が分かり辛いシーン等やや不自然な流れになってしまうのが残念だが､人によって気にならない些細な問題
序盤まるごと体験版をプレイしたのは､一ヶ月も前の事なので他のゲームをプレイした後だと細かい設定や展開等､チラホラ忘れてる場面もあり､十三機兵防衛圏を買う予定があるなら､序盤まるごと体験版は買う直前にプレイするのが一番良かったか
ただ序盤まるごと体験版をプレイするとトロフィー取得のタイミングがズレ､他のキャラクターが取得するタイミングで複数取得してしまう為､うろ覚えなら引き継がないで1からやり直すのも手ではある

想定していた日数より大分オーバーしてしまったが､これまでにプレイしたどのゲームとも一味違う体験をする事が出来たので､個人的な満足度は非常に高い
DEATH STRANDINGの情報は一切入れてこなかったので､もし配達人という『移動』がメインのオープンワールドと知っていたら､他の作品を連想して期待なんて出来なかったかもしれないが､情報を一切入れなかったのが逆に良かったのか『移動』がメインのゲームと気付いた時には既に夢中になっていた。
移動に適した特殊能力を有する主人公でもなければ､従来のゲームで『移動』そのものはクエスト開始地点に向かう平凡な手段の一つでしかなく､目的地へ向かう過程でイベント等の飽きさせない工夫はあっても､移動そのものに複雑なゲーム性を持たせようなんて､考え付いても実現させる事は難しく
むしろファストトラベルで省略される事が当たり前となってしまった近年では､プレイヤーに根付いた『移動＝つまらないもの』という固定観念を覆させるだけの醍醐味を持たせるにはリスクの方が高かっただろうに､コジプロの行く末が決まる1作目で敢えてそこに切り込み開拓していく挑戦心は豪胆というよりも､有数のクリエイターだから見据える事が出来る確信があったからなのだろうか･･･
開拓した先が枯れた大地なら目も当てられない惨状だっただろうに､『移動』という概念を如何に進化させ､移動に伴うストレスを上回り､面白味を見出す事の出来るバランスは絶妙というしかない
長所も多いが短所も同じくらい多いのは紛れもないが､これほど長所と短所が入り混じりながらも一定のバランスを保っているタイトルは他に無く､労力に見合う体験を随所で感じる事の出来る設計はDEATH STRANDINGならではの醍醐味。

中部から西部へ渡ると物語は終幕に向けて急転直下
予期しない急展開と配送を達成するには好ましくない状況となるので､クリア前に繋げておきたいシェルターや､終わらせておきたい配達依頼も一旦置いといてストーリーを進行
西部に入ってからは賛否の多そうな展開が続くも､怒涛の伏線回収で駆け抜けエンディングへ
オープンワールドの『移動』という形骸化した要素をメインに置いたゲームなんて､始めた当初は不安しかなかったが､始終移動してるだけで止め時を見失う程面白く感じられるゲームは類を見ないユニークな作品に仕上がっている
ユニークな作風だけに長所も多いが短所も多いので､長短をポジティブに捉えるかメガティブに捉えるかで作品の見え方が大きく異なるのも仕方ないのかなとも思える

ポーターさんでさえ1万イイネ超えてるというのに､1000イイネにすら届かないジップラインの何と多い事か･･･
むしろ利用されてる形跡があるなら100未満でもマシと思えるくらいの使用率だけど､苦労して絶好のポイントに建設しても0イイネから変動しないのは､その場の競争率が高いというより同種建設物の周辺密集率と景観を損ねない表示制限があるから､そもそも表示され辛い状況という事だろうか
全配送ミッションＳランクを目指すプレイヤーに1人でも繋がれば､頻繁に使うルート等1万イイネは簡単にいくはずなんだが･･･
他人のジップラインは5000とか1万とか増えていくのに､俺のジップラインは0～300･･･
って､やり込み勢は全員同じ事を思ってそうだな
メインで使えるルートなら他人の建てたジップラインでも､感謝しつつ強化素材も惜しみ無く投入し､劣化率が25％以下を下回らない様に管理した方が､自分の為にもなる

時間制限の配送ではジップラインの構築が必須だけど､構築する過程が個人的には最高にハマる
目的地の終点に行くまで､始点からでは山の起伏やMAPに配置されたオブジェクトが障害物となるので､迂回しながらジップラインを構築していくのだが､A点とC点を繋げる為に､障害物を避けながらラインの通る建設可能な角度をマーカーで線を引き､有効となりえる範囲を割り出しながら301m以上の長距離でギリギリ繋ぐ事が出来るラインを見つけられると何とも言えない喜びがある
他人の建てたジップラインも利用する必要があるので､最良ではないけど現状から導き出せる最適解を繋いで､出発点と終着点を繋ぐ事が出来ると他のゲームではなかなか味わえない達成感へと繋がる
山岳地帯のジップラインの構築には不足しがちな化学物質と特殊合金が大量に必要となる為､LOL配送ついでに素材を掻き集めながら､ふらっとママーのシェルターに素材を取りに立ち寄ったらストーリーが進んで大惨事

ヒッグス･･･嫌いじゃないが､てめーはおれを怒らせた(憤怒)